野下鎌踊り

樋脇町野下地区の郷土芸能『野下鎌踊り』は、市指定無形民俗文化財です。(昭和48年3月14日指定)

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【由来】
地区の古老たちの語り伝えによると・・・
遠い昔、藩政の頃のお話です。五郎左衛門という男に父を討たれた姉妹おのぶとしのぶ。その仇を討つために三年の長きにわたって浅山という道場で辛苦の修業を積みました。そして、遂には、おせろが山の果たし合いで五郎左衛門の首をはねる・・・というものです。
踊りの中で歌われる「おせろが山」は、エイ!エイ!エイ!の掛け声とともに、仇討ちに臨む姉妹の意気をしのばせます。
三尺刀を振り回しているのが五郎左衛門。
鎖鎌を持って、これを巧みに払いのけるのが妹しのぶ。
なぎなたを振りかざすのが姉おのぶ。
その立ち合いはとても勇壮です。

【歴史】
もともと牛馬を多く飼っていた野下の人たちが、牛馬の安全と五穀豊穣を祈って馬頭観音祭(7月18日)に奉納していました。
その後、しばらく途絶えていましたが・・・昭和9年の大干ばつの際、野下の青年たちによって復活。
しかし、戦争のため再び中断を余儀なくされました。
昭和35年、野下小学校の講堂落成祝賀会の機会に、野下婦人会によって復活しました。
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昭和35年4月 野下婦人会のみなさん

 

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昭和39年11月15日 樋脇小学校校庭で行われた農民祭で披露

 

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平成12年11月10日 樋脇体育館で行われた樋脇町施行60周年記念式典のようす

 

昭和61年からは野下小学校(平成23年3月閉校)の子どもたちも郷土芸能伝承活動として踊ってきました。
中学生も含めて、秋季大運動会で発表もしました。
現在は、『野下鎌踊り保存会』が伝承・保存活動をしています。(平成28年9月現在13人)

 

【野下鎌踊り】
踊りは、三尺刀・鎌・六尺棒をそれぞれ持ち、前と後ろの6人1組で踊ります。
同じ持ち物でも、前と後ろでは踊りが違います。
フォーメーションや構成に変化があり、鎌が棒を払う音には迫力があります。
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迫力ある音が出るように、鎌の留め具は外してあります。
過去に、踊り用の鎌が少なくなってしまった時期があったそうで・・・ホームセンターで加工してもらって作ったこともあったとか。
(もちろん、鎌は怪我をしないように刃に細工をしてあります)
以前は歌い手がいらっしゃったそうですが、今は、音源を準備して披露しているそうです。
1番→2番→3番(1番と同じ)で約5分ほどの踊りです。

 

【衣装】
役割ごとに衣装の着付け方も違います。
難しいので、野下地区では動画も活用して伝承しています。

 

【野下鎌踊りの踊り方】(9分10秒~)

 

【伝統技能 地つき】【閉校前の運動会で披露した鎌踊り】

 

野下地区だけでなく、薩摩川内市内外でも披露の機会が増えて、長い歴史が受け継がれていきますように。

 

(資料提供:野下鎌踊り保存会、野下地区コミュニティ協議会)