3月20日春分の日はあいにくの雨空。
戦国時代末期、豊臣秀吉の九州征伐の舞台となった平佐城跡、現在の平佐西小学校にて
静かに、そして熱く。熱戦が繰り広げられました。
静寂の中、「かこーん、かこーん…。かつかつかつ…」
幼稚園の子供から大学生まで30名のけん玉道を極めるべく若者達が集中力を極限まで高めて、数々の業を練習していました。
今年で第6回を数える大会となりました「薩摩川内市長杯」。
チェスト!けん玉クラブさんの主催で、全日本少年少女けん玉道選手権大会・文部科学大臣杯の予選会に準じた大会(技の選定)になっているそうです。
個人戦、団体戦、その他、段位・級位・初心者に区分した「もしかめ大会」も同時に行われていました。
けん玉は道である
「日本古来の武術は「道」と呼ばれています。柔道、空手道、剣道、弓道。けん玉も「道」です。」
チェスト!けん玉クラブの神尾貴彦さんは語ります。
「けん玉道は挨拶が基本です。礼に始まり礼に終わる。相手に対し感謝の気持ちを忘れない。また、3つの精神、あせらない・あわてない・あきらめない。これがけん玉「道」です。」と。
予選では、参加者が横並びに個々の審判に向き合い一礼、神尾さんの号令に合わせて業を披露していきます。
終了したらまた一礼をして次の参加者と交代する。礼に始まり礼に終わる。
まさに日本の「道」。
幼稚園から小学校の子供が多く参加されていました。
「子供の集中力を身につけさせる為にやらせています」「礼儀作法を学ばせるためにやらせています」と。
けん玉を子供にやらせたいという親は増えているのだそうです。
神尾さんは「集中力が身につく。更にけん玉を通じてコミュニケーション能力の向上が期待できる。結果、さまざまな生活環境において役立つ。その要素はけん玉にあると思います」と語りました。神尾さんの夢を尋ねると「けん玉で地域が繋がり、多くの出会いが生まれてほしい。これが私の夢です。頑張ります」と静かに情熱を秘めた目で笑顔を見せてくれました。
静熱。神尾さん。
神尾さんの夢をこれからも追いかけ続けたいと思います。