玉石垣が整然とならび、中世以降の武家屋敷の町並みを今に伝える入来麓武家屋敷群。この町でいきいきと活動される皆さんの様子をお伝えします。
「歴史地区に息づく暮らし~入来麓武家屋敷群で出会った皆さん~」
お城跡に立つ入来小学校。3年生から6年生は授業の一環として郷土の歴史を学び、学校周辺の史跡を「ジュニア歴史ガイド」として観光等で訪れるお客様に案内しています。2017年5月12日(金)今回の案内役は4年生17名。全員揃ってドキドキのお出迎え!
お揃いの黄色いはっぴ。背中には入来伝統の遊び「テイッサ(手戦)」が。
この日のお客様は薩摩川内市天辰町の鹿児島純心女子大学新入生の皆さん!毎年春の時期に実施される新入生の1泊2日研修旅行のコースに入来麓武家屋敷群が入っています。
松下栄子学長をはじめ、およそ200名の新入生・留学生と引率の4年生・先生方がやってきました!はじめに入来小学校・東原辰巳校長がごあいさつ。そのあと、4つのグループに分かれてお仮屋馬場、清色城跡入口、茅葺門、旧増田家住宅にて、ジュニア歴史ガイドが説明をします。
入来小学校の校門前、お仮屋馬場跡。大勢のひとに囲まれて、はじめはちょっと緊張気味でしたが練習の成果あり!すらすらと説明をする子ども、「ちょっと見ます」と自筆メモを見る子ども。それぞれに一生懸命、説明します。
松下学長と。
「石垣には、いすの木、イヌマキ、お茶の木が植えられました。これらの木は根が真っ直ぐに伸び、石垣をいためないので、よく使われました」
「へえー!」と声が上がります。しっかりとした語り口に学生さんたちも真剣に耳を傾けます。
清色城跡。城への入口、山を分け入る細い「堀切」に、いにしえの山城へと想像がふくらむ
「一緒に写真撮ろう~」とリクエストされるジュニア歴史ガイド
そぞろ歩く姿も絵になります
枝垂れイヌマキ
旧増田家住宅。昔なつかしい風景に学生さんもガイドたちも、ちょっとひとやすみ
一緒に写真を撮ったり、お話したり
茅葺門(かやぶきもん)
鹿児島純心女子大学・看護栄養学部看護学科4年、隈晴菜さん、牛堀佳苗さん、應戸優希さん。
このオリエンテーションは学生さん達による企画で、4年生がお世話係をつとめるのだそう。「自分たちも1年生の時に来たから、なつかしいなあと思いながら回りました」「地元を知ってもらい、少しずつ学生生活に慣れていってもらえたらいいな」「交流を深めて仲良くなってほしい。ちょっとだけ先輩なので相談にものります!」
新田神社~入来麓武家屋敷群~藺弁田池と薩摩川内市各地を回り、霧島で宿泊とのこと。「ガイドの子どもたちがかわいかった。一生懸命説明してくれて勉強になった」「国際人間学部には子ども学科もあるので学生にとっても興味深い取り組み」と声を頂きました。
こうして、およそ1時間の町歩きツアー、子どもたちはジュニア歴史ガイドとして、立派に役目を果たしました!
さいごのお見送り。学生さんたちも名残惜しそうに手を振る。
入来小学校・東原校長
子どもたちへの愛情、教育への情熱、アイデアあふれるお話を伺いました。
2014年の伝統的建造物群保存地区の全国大会が入来で開催され、地元の中学生が案内しました。きっと小学生も同じようにできるという思いがあり、2015年の鹿児島県国民文化祭で入来小の児童による「ジュニア歴史ガイド」がデビューしました。発足当初は23人でしたが、国文祭を訪れたお客様に好評を博しましたので、3年生~6年生の全児童にこの感動を体験させたいと、2016年「ジュニア歴史ガイド育成プログラム」を始めました。「授業の一環で3年生から6年生は必ず一回は、ガイドをします。土日のガイドをボランティアでする子どもたちもいます」入来小学校の児童たちは何事にも一生懸命取り組むものの、少し消極的な姿勢が気になっていたそう。この「ジュニア歴史ガイド」の経験を通して達成感を感じた子ども達に自信がついたこと、ものおじせず大人ともしっかりコミュニケーションを取れるようになったと、目を細めます。「地域の歴史を知った子どもたちは、自分たちの住む町に誇りを感じるようになります。将来子どもたちはこの地を離れることもあるかもしれませんが、この経験はずっと心に残るでしょう」
入来小学校のジュニア歴史ガイドと一緒に歴史散策をしてみませんか。(10名様より~受付可能。ご相談ください)
お問合せ:
薩摩川内市立入来小学校
薩摩川内市入来町浦之名60番地
電話:0996-44‐2062
入来麓観光案内所
薩摩川内市入来町浦之名35-2 (入来支所下駐車場の向かい)
電話:0996-44-5200
入来郷土館
薩摩川内市入来町浦之名33番地 (入来支所となり)
電話:0996-44-3111