川内大綱引が映画になる!

400年以上の歴史を誇り、薩摩川内を代表する祭り、川内大綱引。市民にとっても大変なじみ深いこの伝統行事をテーマに、薩摩川内市が舞台となる映画が製作されます。企画発起人である鹿児島市出身の俳優・西田聖志郎さん、本作のメガホンを取る佐々部清監督、シネムーブ代表・臼井正明氏、同プロデューサー・古森正泰氏が、薩摩川内市役所を訪問されました。

映画「六月燈の三姉妹」の企画や、大河ドラマでの薩摩言葉指導でも知られる西田さん。鹿児島でのある懇親会で「綱引を映画にできませんか?」と言われたのが「すべての始まり」と語ります。「2年半前から12回以上、ロケハンに来ています。2年前には地元に準備委員会が立ち上がり、大変心強い。薩摩川内市の強力なサポートを頂いて、ぜひこのチャレンジを成功させたい」と力強いお言葉。

指揮を取るのは、「半落ち」「チルソクの夏」で知られる佐々部清監督。西田さんとは「六月燈の三姉妹」以来のタッグとなります。鹿児島出身の西田さんに、山口出身の佐々部監督。「薩長連合で頑張ります」と笑顔。今回が初訪問となった佐々部監督は「地方発信の映画、しかし、綱引の映画、観光の映画にはしません。人間ドラマをきちんと描く。そうすれば、その舞台となる川内大綱引、背景となる薩摩川内市の魅力も自然と伝わるものとなる」と、真剣な表情。

特に印象に残った場所として、寺山からの眺めと新田神社を挙げました。「寺山にのぼると、薩摩川内の中心を川内川が流れている。あの景色を見ていたら、映像がいくつも思い浮かんできました。すでにある台本を書き換えようと決めるほどのすばらしさでした」と、寺山からの眺めを賞賛。嬉しいですね!また新田神社についても「境内から見る社殿の美しさもさることながら、社殿の奥に入るとさらに素晴らしい世界があった。是非、あの場所を舞台に撮影を行いたい」とコメントされました。

大綱引については昨年の様子を映像で見たそうで「3000人の男衆が綱を引く。そんな祭りは他にはない。迫力に圧倒された。綱引の概念をくつがえすものでした。タイトルはまだ仮の状態だが、”大綱引”の三文字は必ず入れます。あの様子は再現できない、撮影は一発勝負となる。市や保存会の協力を頂いて、是非成功させたい」と話しました。

岩切市長からは「日本各地の伝統行事や祭りが、人的・財政的な要因で、中止に追い込まれるなどしている。市としても財政基盤を整えながら、この大綱引の保存に最大限努めている。大綱引シャツ、自販機などもその取り組みの一環。町を挙げ、市民一体となって、この映画を盛り上げたい」とエールが送られました。

「綱に賭ける皆さんの思いは行く先々で熱く語られ、ひしひしと感じています」と、大綱引シャツを着用して、訪問された皆さん。ロケハン、脚本づくりを重ね、今年の大綱引で予備撮影を実施。キャスト決定を経て、撮影開始は2019年9月の予定です。2020年の公開に向けて、走り始めた映画製作。薩摩川内市・市民みんなで応援し、盛り上がっていきましょう!