1月26日公開となる山田孝之さん初全面プロデュースの話題の映画『デイアンドナイト』
1月12日(土)、薩摩川内市国際交流センターにて先行上映会&舞台挨拶が行われ、ここ、薩摩川内市ご出身の山田孝之さん(プロデューサー)、阿部進之介さん(企画・主演)、藤井道人監督(監督・脚本)が登壇しました。
御三方の登場に、大きな歓声と拍手に包まれる会場。なんと、この日は満員御礼!遠くは、佐賀、福岡から来られたファンの姿も。
先行上映が決まった今回、山田孝之さんが薩摩川内市ご出身で、地元への思いもひとしおということで、ここ薩摩川内市で上映会をする運びとなりました。
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阿部さん
「温かく迎えてくださってすごく感動しております。」
藤井監督
「山田さんの育った薩摩川内市でこうやって上映できることを光栄に思います。」
山田さん
「ただいま!15歳まで薩摩川内市にいたのですが、このような形で戻って来られて本当に幸せです。」
この日は、2日間で5つの会場を回るハードスケジュールの中、お越し頂きました。
MC:鹿児島の印象はいかがですか?
阿部さん
「…来たばっかりで(笑)今回は、孝之(山田)の地元ということで僕も来られて嬉しいですし、皆さんが本当に温かく迎えてくださって、劇場でお客さんの雰囲気が違うのですが、これが鹿児島か!という思いで立っております。」
山田さん
「じゃっど!」
藤井監督
「去年温かい季節にドラマの撮影で鹿児島に来たので、温かいだろうなと薄着で来てみたら…夜は肌寒いんですね(笑)」
山田さん
「秋田の撮影の時も、これと変わらないくらいの格好で来て…(笑)」
藤井監督
「その時は、山田さんに衣類を買って頂いて…お世話になりました(笑)」
MC:これまでは原作があって映像化というものをよく耳にしますが、企画、脚本と、ゼロから手掛けられたという事で、ストーリーを紡いでいくにあたってどのような作り方をされたのか、エピソードを教えて下さい。
阿部さん
「藤井監督の作品をインディーズから見ていて、一緒に仕事をしたいなと思い、僕から、『一緒に飲みに行きましょうよ』というところから2人の関係は始まって。作った映画を見たり話したりする中で、藤井君が『阿部さんこんな映画を作りたいとかありますか?』と言ってくれて、2人で、ああでもないこうでもないと言いながら最初に企画を膨らませていったという感じです。」
MC:台本の書き直しもあったようなのですが、最初の企画からぶれなかったものはありますか?
阿部さん
「2人で話をしているところからすぐ孝之(山田)が参加してくれて、一緒にやりたいと言ってくれて。」
山田さん
「まず善と悪を2人に問いたくて。大切な人が目の前で殺されて、殺した犯人が目の前にいたらどういう行動をとる?っていうことを聞きました。その答えが3人とも全然違くて。そこで、なんでそう思ったの?なんでそうしたの?と、会話が進んでいったんですよ。これは絶対に問いかけたかったものでもありますし、こうやって会話が広がったから、そういう映画を作れば見た人たちが、自分のことをもう一度見つめ直したり、家族や友達、恋人やいろんな人達と話すきっかけにもなると思ったんです。そこを広げていきました。」
藤井監督
「山田孝之さんは大好きな俳優さんで、阿部さんは一緒に戦ってきた先輩だし、この2人と一緒に脚本を作ることはすごい面白かったです。お2人ともお芝居がうまいので、全役を2人がお芝居するんです。登場人物全部のセリフを2人が読むんです。そうすると、『これは言わないよね。』『これは言いづらいよね。』と、役者ベースでキャラクターを合わせていって変えてくださったり。あと、奈々の相手役の高校生のオーディションの時は、奈々役を山田孝之さんがしたんです。」
阿部さん
「僕は基本明石をやっていたんですけど、それ以外の役はほとんど孝之(山田)がやって、特に奈々のキャラクターについては、孝之が深く作っていったので。」
山田さん
「10代の男の子たちに、『相手役は同級生の女の子ですけど、僕がします。やりづらいとは思いますが、想像力を爆発させて、僕を女子高生だと思い込んでやってください』と言いました。でもこれって俳優として大事なことで、これができないとお芝居ができないんです。みんな戸惑っていたんですけど。」
阿部さん
「戸惑うよね。山田孝之が強すぎるからね!ちょっと奈々に見えたのがムカついたけどね(笑)やっぱ上手いんだなって。」
MC:どのようにキャスティングされてきたのでしょうか?
山田さん
「本を作って、この役を演じるのはどの人が合っているだろうかってキャスティングしていくので。オーディション、今回の奈々の場合は、奈々に1番近い子をひたすら待つんです。」
MC:奈々役の清原果耶さんが来られたときは、ビビビッと?
山田さん
「はい、そうですね。」
MC:豪華な俳優さんが出られていますけれども、俳優さんとコミュニケーションを取るにあたって心がけていたことってございますか?
藤井監督
「ドラマを作っている時と今回は全然違くて、主演の阿部進之介と僕は、脚本の何から何まで知ってるということで、どんな質問をされても答えられた分、どんな難しいシーンであろうがコミュニケーションに苦労したことは実は無くて、高め合って面白いシーンにしていくことができました。」
山田さん
「清原さん怖かったでしょ?」
藤井監督
「1番怖かったです!こんなにお芝居が上手い15歳とお仕事をしたことがなかったので、日常ではすごい可愛い爛漫な女性なんですけど、声がかかるとスイッチが入って、女優モードの清原さんはベテラン女優にしか見えないというか。」
MC:作品のエンドソングの『気まぐれ雲』を大野奈々として歌われていますが、歌声を聴いたときはどう思われましたか?
山田さん
「綺麗な声じゃないですか。僕がふと言っちゃったんですけど、お願いしてよかったです本当に。エンドロールが流れるときに、奈々の声で奈々の気持ちの歌を聴きながら、皆さんがこの2時間で起きたいろんな人達の表情や感情を思い出してくれる時間になったらいいなと思ったんですよね。」
MC:山田さんは今回、全面プロデュースに徹されたということですが、プロデューサーの立場から見て、俳優という職業はどのように思われましたか?」
山田さん
「かっこいいですよ!すぐ忘れちゃうんですよ、誇れる仕事だっていうことを。今回皆さんの芝居を間近で見てて、俳優ってすごいなって思って、俳優だって胸張って言おうって思いました。」
MC:今回は秋田県でのロケでの初プロデュースでしたが、皆さんが期待されているのは、地元鹿児島、薩摩川内市でもいずれは、作品を作ってもらいたいという気持ちがあると思うのですが…。(会場からは大きな拍手)
山田さん
「…かっぱの映画とか作ります?(笑)」
阿部さん
「俺、かっぱできるかな?大きい?…でも、かっぱ感はこっちのほうが(笑)(藤井監督を見て)」
山田さん
「かっぱが綱引きして花火があがる映画ですかね!?」
MC:また同じチームで、是非ご期待頂きたいと思いますが、今回、1月26日公開となります『デイアンドナイト』ご覧頂きましたが、公開されてからもご覧頂きたいということで、もう一度、観るにあたってのポイントを教えて頂けますか?
阿部さん
「ニュースの場面があるのですが、事件とか出来事が起こった時って、ニュースで知ることがほとんどで、『また事件か、怖いな』と思うことだと思うのですが、そこをひとつ掘り下げた、当事者たちに近寄ったのが今回の映画だと思っていて、あのニュースに出ていた人たちってどんな生活をしてどうゆう経緯でこんなこと起こったのかなというふうに思いながら、1から見て頂けると違った見え方をするのかなと僕は思います。」
藤井監督
「今回登場人物がたくさん出てくる中で、どういう人が正しいだったり、この人は嫌だなとか、善と悪というものを自分の中の価値観で照らし合わせて見て頂いたと思うのですが、もう一度見て頂けるのであれば、その逆の立場の人間たちにフォーカスして見た頂けると違うのかなと思っております。後もう一つは、映像的な話なのですが、風をモチーフに映画を作りました。風車があったり、善と悪はどこから運ばれてくるのかという、この“風”を象徴として映画を撮りました。鳥や、細かい所にヒントが隠れている映画でにあると思うので、そういうところも注目して見て頂ければと思います。」
山田さん
「あの…川内って映画館できたんですか?あ、無いんですね!市民会館(現:川内文化ホール)によくドラゴンボールを観に行っていたんですけどね!(笑)でも、劇場がなくてもこうやって(上映会が)できて本当に良かったですし、また見に行くとしたら鹿児島中央駅ですよね?ん~そうだな…。初見で、かなり複雑にいろんな登場人物、いろんな感情が入り混じる感じで描いたので、あと、最初って基本主人公の目線で物語が進んでいくと思うので、別のキャラクターに注目して、「今回はこの人」とか、まぁ、何回も観ろと遠回しに言っているようなんですが(笑)そうすると結構面白くてですね、俳優が普段芝居をするときのやり方って、出ているシーンと出ていないシーンがあるんですけど、出ていないシーンをどうやって生きているかって常に考えるんですね。このシーンでこの人はこういう会話をして、その後こういう会話をしているということは、多分ここで、こういう行動をとって誰かと喋ってこういう気持ちになったから、ここに来てこの人とこういう会話をしているんじゃないかって。その間を考えると、もっとそのキャラクターが見えてきて、より楽しめるんじゃないかと思います。僕ら俳優やってて、そこが大変だけど楽しいところでもあるので、そうやっていろんなキャラクターを見て頂くと、よりこの映画が深くなるんじゃないかと思います。」
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完全オリジナル作品である本作が問いかけるテーマは「人間の善と悪」。家族の命を奪われ、自らの善悪に翻弄される者たちの物語は、混沌とした現代で強く生きることの厳しさをも描き出す映画です。
1月26日(土)全国公開。是非、劇場で御覧下さい!!
https://day-and-night-movie.com/