芸術の秋、スポーツの秋。穏やかな秋晴れに恵まれたら、「身近な場所に、こんなところがあったんだ!」という歴史散歩はいかがでしょうか。薩摩川内市の地域おこし協力隊、松元由香さんに案内いただき、平佐西に点在する史跡をまわってきました。
皿山天主堂跡
松元さんは日置市の出身。2020年5月より地域おこし協力隊・平佐西地区担当として活動中です。「歴史遺産お守り隊」の名のもと、平佐西地区に残る史跡の保護と活用について地域の皆さんと相談しながら、活動をすすめています。
自作の似顔絵うちわを手にする松元さん。9月にはFMさつませんだいに出演し、平佐焼の歴史について話をしました。同じような内容で、各地区のコミュニティサロンにてミニレクチャーを行っているそう。
皿山天主堂跡
川内駅から車でおよそ10分。天辰町の川内川沿いを東郷方面に進み、右手に上がると皿山地区です。市街地からほど近い場所でありながら、里山の雰囲気に包まれる静かな場所です。平佐焼窯跡に向かおうと車を停め歩き出したところ、目に留まったのがこちら「皿山天主堂跡」。その歴史は明治時代にさかのぼります。皿山出身のメソジスト教会牧師・久保田義高師、満留八郎次氏らが中心となり、この二人とつながりの深いパリ外国宣教会のヨセフ・ベルナール・フェリエ神父により、明治24年に設立されました。
やや急こう配の石段を登っていきます。
積み重ねられた石。
あたりは木々に包まれ鬱蒼としていますが、ここには陽光が差し込んでいました。小さな広場ほどのスペースがひろがります。
写真左手奥にはマリア像があります。
大木の根に守られるように、そっとたたずむマリア像。
蔦の絡まる十字架。かつてここに祈りの場があったと感じられる、おごそかな空気が漂います。長年、薩摩川内市に暮らす人にも、あまり知られていない場所ではないでしょうか。歴史をひもとけば、この皿山天主堂は現在の川内カトリック教会(若松町)へと、連なります。港町の京泊教会跡(ロザリオの聖母聖堂)や、薩摩の殉教者として知られるレオ税所七右衛門など、薩摩川内市とキリスト教とは意外に深いつながりがあるようです。東シナ海をめぐる海路のロマン、そして異国の地で布教に努めた宗教者たちに思いを馳せつつ、石段を降りました。
参照サイト:女子パウロ会公式サイトLaudate(ラウダーテ)
「教会を訪ねて」
平佐焼窯跡を目印に、皿山自治会館に向かいます。自治会館から左折すると皿山天主堂入り口があります。
平佐西の歴史散策(2)では、平佐焼窯跡を訪ねます。