観光大使・前園真聖と巡る薩摩川内市 ウミネコ餌やり体験でハットトリック!?

薩摩川内市特集が2023(令和5)年7月7日の日刊スポーツ新聞大阪本社版に掲載されましたので、記事と写真を転載いたします。

鹿児島・薩摩半島の北西部に位置する薩摩川内市は、大迫力の自然や新鮮な海の幸をはじめ、さまざまな魅力を堪能できる場所だ。今回は、観光大使で96年アトランタ五輪でブラジルを破り〝マイアミの奇跡〟の立役者にもなったサッカー元日本代表MF前園真聖(49)が、甑島(こしきしま)と市街地を巡り、故郷の魅力を存分に満喫した。

興奮止まらず「うわー、これはすごい」と連発せずにはいられなかった。甑島を巡る断崖クルージングを体験できる観光船「かのこ」に揺られて約30分、見えてきた景色に、前園の心は揺さぶられていた。「(横顔に似ていることから名付けられた)ナポレオン岩もそうだけど、その周りも絶景。圧巻だよ、この迫力は。クルーズじゃないと見られない景色」。鶴が大きく羽を広げているように見える「鶴穴」や斜めの地層が特徴の「クジラ岩」、200メートルの高さの「鹿島断崖」がそびえ立つ。8千万年前の地層は「よくこんなにきれいに残っているね」と前園が驚くほどの状態で見ることができる。

ウミネコの餌やりも体験。きびなごをつかんで掲げると、すぐにウミネコに囲まれ「オフサイドだよ! (3匹一気に与えて)ハットトリックいこうか?」と非日常の連続に大興奮。甑島は以前にも訪れたことがあったという前園も「船で外から見るのは初めてだった。外から見る魅力もすごい」。
絶景は島の中にも。鳥ノ巣山展望所では、甑大橋やそびえ立つ断崖が一望でき、夏にはカノコユリが咲き誇る光景も広がる。スケールを感じさせる景色には、前園も「日本じゃないみたい。これはすごいですね。ハワイ島みたい」と驚嘆した。

甑島産海の幸、バーベキュー、甲冑体験「新たな発見」

夜は「寿し膳かのこ」で舌鼓。甑島産の養殖まぐろやタイ、きびなごの刺し身や煮付けなどが出ると「本当にうまい。これは普段食べられるものではない」と前園。新鮮な海の幸を、これでもかというほど味わった。

翌日はフェリーで市街へ戻り、自社一貫肥育の直販店「名産鹿児島和牛 かんだ」で購入した黒毛和牛をバーベキューで楽しみ、入来麓武家屋敷群で甲冑(かっちゅう)体験をして薩摩川内市を満喫。最後に市比野温泉にある完全個室の「貸切温泉サウナ郷 翠嵐」で汗を流した前園は「僕の知っている薩摩川内市の良さを満喫できただけでなく、今回新たな発見もあった。みなさんにもこの場所で感じてもらいたい」と、あらためてその魅力に取りつかれていた。

大谷兜手がける「甲冑工房丸武」の甲冑で記念撮影も

入来麓(いりきふもと)武家屋敷群

鹿児島3大武家屋敷群の1つ。中世から江戸期に作られた町並みは、石垣で区分けされている。大谷翔平が所属するエンゼルスのパフォーマンスで使われている兜(かぶと)も手がける「甲冑(かっちゅう)工房丸武」の甲冑を身につけての記念撮影も。「特に兜は重さを感じるけど、気が引き締まる」と前園もその重みを体感した。

泥炭「浮島」が天然記念物指定 7つの外輪山に囲まれた火口湖

藺牟田(いむた)池

7つの外輪山に囲まれた周辺4キロの火口湖で、「浮島」と呼ばれる泥炭は国の天然記念物に指定されている。水鳥などが生息する重要な湿地として、05年にはラムサール条約湿地にも登録された。梅や桜などの並木があり、春は花見、秋は紅葉を楽しめる。ボートやレンタサイクルも用意されている。湖畔の生態系保存資料施設「アクアイム」では、自然環境を学ぶことが可能。

市内に焼酎蔵7社 世界が認めた銘酒「薩摩焼酎」

薩摩焼酎

シャンパンやスコッチと同じように世界貿易機関(WTO)によって、国際的にブランドが保護される地理的表示の産地指定を受けている。薩摩川内市には焼酎蔵が7社あり「田苑」の田苑酒造、「村尾」の村尾酒造、「蔵の神」の山元酒造といった有名な蔵から、「六代目百合」の塩田酒造、「甑州」の吉永酒造、「野海棠」の祁答院(けどういん)蒸溜所、「鉄幹」のオガタマ酒造といった焼酎好きにはたまらない銘酒を造っている蔵もある。

前園氏も満喫 なめらかしっとりやさしい「天下の名湯」

市比野(いちひの)温泉

薩摩藩主の島津光久が「天下の名湯」と絶賛したという、薩摩川内が誇る癒やしの場。江戸時代から大衆のための湯治場として繁栄し、現在はホテルや旅館、公衆浴場で入浴できる。「美人の湯」と称される弱アルカリ単純泉を、前園は「なめらかでしっとりしているんですよ。やさしい感じ」と表現。今回は、源泉かけ流しの「貸切温泉サウナ郷 翠嵐」で満喫した。

梅の木約300本…天然記念物も 学問の神様まつる神社

藤川天神

東郷町藤川にある菅原神社。地元民から藤川天神と呼ばれている。菅原道真公が自ら植えた株から増えたとされる梅の木が約300本あり、2月上旬から3月上旬にはその花が見頃を迎える。龍が伏したように見える「臥龍梅(がりゅうばい)」は、国の天然記念物にも指定されている。学問の神様がまつられた神社ということで、受験シーズンには特に多くの参拝客が訪れる。