今が旬。久見崎のしらす

JR川内駅から川内川沿いに車で走ること20分あまり。河口に近づくにつれ、心なしか空の色も明るくなります。薩摩川内市、久見崎(ぐみさき)では、現在しらす春漁がまっさかり。かつては軍港として船造りでも栄えた町で、しらす加工と食堂を営む安藤夫妻を訪ねました。

しらすtop

しらす加工の工場にて。釜から上がる湯気がもうもうと立ち込めます。港直送のしらすは、エソなどの魚をとりのぞき「瞬間釜茹で」。茹であがったら乾燥機で水気を飛ばし、天日に干す前の状態になります。

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ほんのりと塩味がして、とっても柔らかい!ぱくぱくといくらでも食べられそう。「この状態で売って欲しい」というお客様も多いのだとか。この「しっとりしらす」は、工場すぐそばの食堂「浜の茶屋」にて、たっぷり頂けます♪

しらす&海鮮ダブル丼と浜の茶屋さん店内風景をFMさつませんだいHPでご紹介しています。
「ホッとする海鮮食堂、浜の茶屋」

今回はしらすに集中すべく、しらす丼を頂きます!

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しっとりとソフトなしらすがたっぷり。カルシウムが体にしみわたります。最初はぜひ、そのままで召し上がってください。半分くらい食べたら、卵の黄身と醤油をかけて。これがまたおいしい~♪

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お昼時、店内はお客さんでいっぱい。スタンバイ中のしらす丼。

工場と食堂を行き来して「からだがふたつ欲しい」と、弘子さん。晴天の日は、しらすを干す作業もできる限り進めたいところ。お天気、漁の調子、お店の様子…と、タイミングをはかりながら、てきぱきと作業を進めます。

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今年は全国的に「しらすが獲れない」とも言われていましたが、時期が少し遅れて獲れ始めたそう。遅くなったぶん「例年よりもしらすの身が大きい」のは嬉しいですね!

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あたりは、しらす天日干し作業の風景がひろがります。

久見崎でのしらす漁・加工が本格的に始まったのは、今から55年ほど前のこと。栄治さんのお父様は、もともと宮崎県日向市・美々津港にて、しらす漁をされていました。美々津でのしらす漁獲量が減るなか、良い漁場がないかと南九州の海を船で回っていたところ、久見崎の海にしらすがたくさんいることを発見。

「こんなにしらすがいるのに誰も獲ってない」と移り住み、この地でしらす漁・加工を始めます。地引き網漁が中心であった当時、共同で船を購入したこともあり、次第に久見崎はしらす漁・加工の盛んな町となっていきました。

差替

しらすの乾燥具合をチェック。十分に乾燥するまで干しと取り込みの作業を繰り返します。
笑顔で作業する栄治さん。妹の妙子さんと一緒に調理師として厨房にも立ちます。

春漁のしらすは今が旬。松林を通り抜け、海を眺めながら、久見崎のしらすを頂くひと時。
自然とともにあり、よく働き、おいしいものを惜しみなく提供してくださる姿が深く心に残りました。

浜の茶屋:ホームページ
電話:0996-27-3404

久見崎までの道中、川内河口大橋を臨む。
お天気の良い日は、爽快なドライブも楽しめそうです♪

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