薩摩川内市ワーケーションモニター事業を活用し、本市でワーケーションを実施されたモニター様の行程表、実施レポートを紹介します(随時更新)。
加藤 歩弓 様(上甑島で実施)

- niclass甑島にキッチンや調理器具、冷蔵庫、洗濯機が宿に揃っていて長期滞在には快適でした。
- Wi-Fiがとても快適でスピードが速くて良いです。Web、グラフィックデザイナーの作業には十分な容量。お部屋のコンセントも多くて助かります。
- 目の前が海で朝とても気持ちがいい。歩いて行ける場所に飲食店や小さな商店もあるのでゆっくり 暮らすように旅をしたい人にはぴったりです。
【全体の感想】
甑島はプライベートで何度も訪れるほど好きな土地ですが、今回は薩摩川内市の方も間に入って頂いたおかげで、個人旅でなかなか知り合うことのできない地元の移住者の声を生で聞ける貴重な機会でした。甑島に旅をするイメージはあったものの、今回はじめて移住定住について考える機会となりました。やはり現地の方の意見が一番参考になります。今度は主人と一緒に来て、観光や島での滞在をじっくり楽しんでみたいと思います。大変お世話になり、ありがとうございました。
今村 茜様(樋脇地域で実施)

【薩摩川内市でのワーケーション実施について】
梅雨の時期の滞在だったので、鹿児島の梅雨の激しさや、霧にかすむ山や田んぼの美しさ、軒先のあじさいなど、東京では感じにくい南国の四季の風景を懐かしく味わうこともできました。部屋で仕事をしながらも、ふっと顔をあげれば窓の向こうに濃い緑がうっそうとしげり、あぁ、鹿児島にいるのだな、としみじみ感じ、ほっとすることができました。 きらびやかな観光地で実施するワーケーションも素敵ですが、忙しい東京の生活を離れ、里山で田舎暮らしをしながら心安らかに過ごすワーケーションも素晴らしいと思います。都会で疲れた人ほど、静かな日常を取り戻せる、この薩摩川内市の里山に滞在して欲しいと思います。【薩摩川内市のワーケーションの取り組みについて】
私は北海道から沖縄まで、全国30カ所以上でワーケーションを実践してきました。その観点から、今回活用した施設や視察した先を振り返ります。-
- ▼旅館薩摩の里
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- 今回は旅館薩摩の里に5泊しました。当初はホテルグリーンヒル鹿児島や別のホテルと宿泊を分散させようかと思いましたが、仕事量が多そうだったので、チェックイン・アウトや移動の手間を省くためにすべて連泊にしました。wi-fi環境は問題なく、オンライン会議もスムーズにできました。
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- ▼2次交通
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- 域内交通で車は必須なので、空港からレンタカー利用が多いと思います。他方、空港からリムジンバスで川内駅まで来る方には、カーシェアも利便性が高いかと思います。
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- 今回は薩摩川内市の街中まであまり足を伸ばさなかったので、コワーキングスペースは利用しませんでした。そのかわり、道の駅のベンチなどでも仕事をしました。私はスマホのテザリングでどこでも仕事ができるので、長めの良い場所に車を停めて仕事をしたりもしました。
- 他方、オンライン会議が多かったので、結局は個室のある宿で仕事をすることが多かったです。タイムパフォーマンスを重視するには、宿での仕事が一番です(移動する時間が省ける)。
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- 今回は、私が個人としても実践し、事業としても展開している「親子ワーケーション」が薩摩川内市でできるのかという視察も含めて滞在しました。一時保育ができる「すわこども園」に加え、すでに地域の子ども向けに様々なアクティビティを提供しているグリーンツーリズム協会もあるので、子ども対応には困らない、という印象を受けました。
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小西 瑞穂様(樋脇地域で実施)
【薩摩川内市・市比野温泉でのワーケーション】
「薩摩川内市」は初めて耳にする場所だったため、まず温泉があるのか検索しました。調べてみると「市比野温泉」という温泉地があり、仕事の拠点となりそうな温泉付きのホテルや、バスや徒歩で移動できそうなレストランやスーパー、観光スポットなどもあり、温泉めぐりも楽しめそうということがわかりました。
鹿児島空港はコンパクトながら、鹿児島グルメが楽しめるレストランや足湯などがあり、バスを待っている間も楽しく過ごすことができました。1時間ほど霧の中をバスに揺られ、今回の拠点「ホテルグリーンヒル鹿児島」へ。 部屋を滞在しやすいよう整えたら早速温泉へ。あつ湯・ぬる湯・打たせ湯・露天風呂・サウナ・水風呂があり、泉質はメタケイ酸を含むアルカリ性単純温泉。温冷交代浴でつるつるすべすべのお湯を楽しみました。
今回、温泉ワーケーション拠点として6日間滞在した「ホテルグリーンヒル鹿児島」は、デスク、イス、Wi-Fi完備で、問題なく仕事を進めることができました。滞在中は、天気予報通り木曜日以外は雨だったことから、部屋にこもって仕事に没頭する時間も長かったのですが、疲れるといつでもサウナや温泉に入れるという環境は最高でした。朝食のみ付いたプランで宿泊していたため、昼食・夕食は市比野温泉街まで買い物に出ました。地元の方に混ざりながらその土地のスーパーで買い物をしていると、旅先でありながら、まるで暮らしているかのような気持ちにもなります。これもワーケーションの醍醐味だと思います。
唯一晴れた木曜日は地元の方に車でさまざまな場所を案内していただきました。気になっていた「貸切温泉サウナ郷 翠嵐」や、リクエストして連れて行っていただいた「新田神社」、市内のもう一つの温泉郷「川内高城温泉」、歴史好きの私にはたまらない「甲冑工房 丸武」など。私は運転ができないため、ワーケーション中は徒歩やバスで移動できる場所しか行けないのですが、今回は薩摩川内市の魅力に広く触れることができました。
また、「翠嵐」代表の方や、市比野温泉の和洋菓子店「弁天堂」店主で市比野温泉地域活性化協議会の会長をされている方もご紹介いただき、お部屋を案内していただいたり、意見交換をさせていただいたことは、得がたい体験となりました。
もうひとつ印象的だったのは、今回のワーケーションで出会った皆さんにとても親切にしていただいたことです。雨の露天風呂で「こっちならぬれないわよ」と特等席を譲ってくださり、肩を並べて湯に浸かりながらしばしおしゃべりした方、九州八十八湯めぐりの御湯印帳を横浜に忘れてきた私に、紙に押したスタンプを持たせてくれた「割烹旅館みどり屋」の女将さん、豪雨の中降車する私を心配して「そこ水たまりになってるから気をつけて」「傘さしてからゆっくり降りてね」と声をかけてくださった運転手さん。ワーケーションに来なければ、出会わなかったかもしれない方々とのふれあいは、大事な思い出となりました。
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- ▼2次交通
- ▼旅館薩摩の里
松薗 美帆様(上甑島で実施)

【上甑島でのワーケーション】
数年前から働きながら⼤学院に進学して⽂化⼈類学を専攻しており、「地域活性化」を研 究テーマのひとつに置いています。甑島には以前何度か遊びに⾏ったことがあり、その頃から地域活性化の興味深い事例だと印象に残っていましたが、コロナの影響もあって⻑らく⾜が遠のいていました。そのような状況の中、今回ワーケーション制度を利⽤して仕事と研究のデータ収集を⽬的に甑島を訪問することができました。
初⽇は市役所職員の方にアテンドいただき、移動の⾞中で⾏政でのお仕事についても⾊々とお伺いできたのも⼤変ありがたい機会でした。まずは甑島ツーリズム推進協議会観光振興部会に参加させていただきました。上甑島と下甑島をつなぐ橋ができてから観光の動きがどのように変化したのか気になっていたため、⺠宿経営、ツア ーガイドなど⾊々な形で甑島の観光に携わる⽅々のリアルな声を聞くことができ、⼤変勉強になりました。橋によってツアーで回れる範囲が広がったことや⾏政と地域事業者の⽅々の協働の仕⽅を知ることが出来ました。また、下甑島で活動する地域おこし協⼒隊の⽅にインタビューする機会もいただき、特に私が関⼼のあるテーマ「よそ者による地域活性化」について、研究を⼀歩前に進めることが出来たように思います。その地域おこし協⼒隊の⽅はもうすぐ任期を追えられる ということだったので、今後どのような活動に取り組まれるのか、また甑島に来るタイミングでぜひお話を伺いに来たいと思いました。
2⽇⽬以降、⽇中は仕事をしながら、息抜きに散歩をしたり、海に⼊ったりしながら充実 した島時間を過ごすことが出来ました。niclass甑島は⾃炊ができる環境が整っているため、島のスーパーできびなごを買ってきて焼いて⾷べるのも楽しい体験でした。今後甑島で⻑期ワーケーションをするならばどのような準備が必要かも具体的にイメージすることができました。夜は地域の⽅々と交流したいと考えていたため、「甑におかえり」という居酒屋にでかけました。そこで店主の⽅と仲良くなり、滞在中にサーフィンに⾏こうと誘ってもらえました。残念ながら波が良くなく実現しなかったのですが、また次回島に来たら連絡してね、と約束できたので良かったです。滞在中に⿅児島で活動するアーティスト・宮井紀⾏さんのライブがあり、その打ち上げで島の⽅々と交流することができました。最近移住してきたばかりの看護師の⽅や、関東と甑島の⼆拠点⽣活をしている⽅など、いろんな⽅に出会って連絡先を交換し、また島に来る時ご飯に⾏く約束をしたので、また甑島に来る楽しみが増えてよかったです。最終夜に⾏った⼭下商店の島バルでは帰省中の同 年代の⽅とも交流することができ、さらに翌⽇の帰りのフェリーも⼀緒になり、島に顔⾒知りが増えるのはいいなと思いました。休⽇は元々知り合いのオソノベーカリーのお⼿伝いをしたり、レンタサイクルで島を散歩したりしてのんびり過ごすことが出来ました。
今回はただ仕事と遊びだけのワーケーションに終わらず、研究のデータ収集も前に進み、 ⼤変充実した時間を過ごすことが出来ました。私が⼤学院で専攻する⽂化⼈類学では、⻑期間のフィールドワークを重視し、何度も現地に⾜を運び、時には現地の⽅々とともに暮らしながら調査・研究を⾏います。そのフィールド先として甑島はかなりポテンシャルがあることがよくわかったため、これからも度々⾜を運びながら、研究が形になるよう努めたいと思 っています。また、今回の滞在で甑島に知り合いの輪が広がって、また来る理由もいくつかできたのも、また甑島に⾏きたいなと思えたポイントです。