川内の味。十本松ドライブイン | 薩摩川内観光物産ガイド こころ
お知らせ 2017.08.07

川内の味。十本松ドライブイン

お知らせ

薩摩川内市水引町。国道3号線を市の中心地から阿久根方面へ北上すると、左手側に見える看板が目印の十本松ドライブイン。名物のホルモン料理に今日も店内はお客さんでいっぱいです。

川内の味。十本松ドライブイン

ちゃんぽん入りホルモン定食。ホルモン定食がオーダーの6割を占める定番人気メニュー。

創業は昭和43年。店名は「前の山に十本、松があったから」と明快。3代50年に渡り、創業時の味を守り伝えています。その味のルーツは、第二次世界大戦にさかのぼります。初代の杉元栄(すぎもと・さかえ)さんは川内市国分寺出身。串木野の畜産会社に勤め、25,6歳のころ、徴兵されて軍隊へ。調理係として戦地での食料調達・炊事を担当しました。

中支(中国中部)に派遣された栄さん(後列右から2番目)。戦況が厳しくなるなか、現地の人と同じ格好をするなどして、食糧調達に奔走。隊長から食材を余すことなく、牛豚の内蔵を使った料理を考えるようにいわれ、ホルモンと野菜をみそで煮込んだ料理を開発。これが今につながるルーツの味となります。

終戦後、川内に引き揚げた栄さんは御陵下町にて製麺業を開始。商売も軌道に乗っていた昭和43年、国道3号線の拡張により現在の水引町に移転。業態を変えドライブインを始めます。当時の日本はモータリゼーションの波が地方にも押し寄せ、人びとはマイカーを手にし、トラックによる輸送が盛んになっていたころ。最盛期には出水から鹿児島までの間に、23軒ほどのドライブインがあったといいます。

創業から50年。九州自動車道の開通により客足が一時的に鈍ったり、また最近では南九州自動車道・水引ICの完成により、市外・県外からのお客さんが増えたりと、道路事情による変化の波を受けつつも、おおむね安定して経営できているそうです。

「それはやっぱり、初代の創った定番メニューがあるから」と栄一さん。秘伝のタレは一子相伝。食品メーカーから商品化の声が何度もかかったそうですが、そのたびに丁重におことわりしてきたとのこと。「みそもタレもすべて手づくり。この味を守っていきたい」

お昼前のすこし早めの時間に。店内は、創業時の30席から現在125席!

もうひとつの町の味が「六角堂鍋焼きうどん」。昭和50年代まで川内山形屋向かいにあった「六角堂」の人気メニューを、同店の閉店を機に受け継いだもの。今も懐かしいといって、食べにくるお客さんがいらっしゃるといいます。

二代目栄一さんから、子・孫の代へ。家族で老舗の味を支えています。「これからも、今まで通りやっていきます。味は変えずに」市民やトラックドライバーに元気をくれる町の食堂。夏休み、お盆に帰省する家族や親戚、友人と連れ立って、薩摩川内のまちの味をかこんでみませんか。

十本松ドライブイン
薩摩川内市水引町3237
0996-26-2357
10:00-20:30(ランチタイム終了後、休憩があります)

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