藺牟田池は、飯盛山や愛宕岳などの外輪山に囲まれた火口湖で、直径約1km、周囲約3.3kmのほぼ円形をした池です。湖面の標高は海抜295mで、深さは最も深い所で約3.5mほどです。
池の西側と北側の湖岸一帯には低層湿原が発達していて、ジャヤナギやヨシ、マコモ、アンペライなどのイネ科やカヤツリ科の植物が群生しています。これらの植物は枯れると堆積し、炭化して泥炭を形成します。この一部が湖底から離れて水面に浮かび上がったものが浮島で、いくつもの浮島が点在しています。浮島は北方の寒冷な高層湿原ではしばしば見られますが、低層湿原では極めて珍しいことから大正10年3月3日に国の天然記念物に指定されて保護されています。
また、この池はベッコウトンボの生息保護地区としても貴重で、ラムサール湿地としても登録されています。