全国の舞台へ。薩摩川内のウインタースポーツが熱い!

年末へのカウントダウンが始まるこの時期、ウインタースポーツはシーズン真っ盛り。この冬、中学・高校カテゴリーの全国大会に、なんと薩摩川内市から5つのチームがエントリー。薩摩川内から全国へと挑むバスケットボール、バレーボールの各チームを大会出場順にご紹介します!

川島学園れいめい高等学校 女子バスケットボール部

2021年インターハイ鹿児島県予選。大会一週間前を切ってから出場辞退を余儀なくされた、れいめい高校の夏。そこから見事に這い上がり、男女のバスケットボール部が揃って優勝という快挙を成し遂げた。落ち込んだ日々を経て「最後に笑うのは俺たちだ」という言葉をスローガンに、チーム一丸となって「最高の準備ができた」(松永真至人監督)というれいめい女子。「今まで支えてくれた方々がワクワクするようなプレーをしたい」と意気込む岩下キャプテンを中心に「監督も含めて仲が良い」明るく元気の良いチームだ。エース森、得点源の永徳、竹下の3年生を軸に、初出場となるウインターカップでの一勝を狙う。

SoftBank Winter Cup 2021 12月23日~29日

れいめい高校(女子)の初戦は23日、島根県代表・松徳学院と戦います。(バスケットLIVE等でストリーミング配信有り)

第74回 全国高等学校バスケットボール選手権大会

鹿児島県予選を追った記事はこちら:祝ウインターカップ2021出場決定!れいめい高校女子バスケットボール部

川島学園れいめい高等学校 男子バスケットボール部

女子と同様、インターハイ鹿児島県予選の出場辞退から見事、頂点にたどり着いたれいめい男子。「あんなことは起きて欲しくない。けれど、あの経験は決してマイナスにはならない」と振り返る和田玄太監督。県予選を前に「IH予選に出場できなかった悔しさをぶつけ絶対に優勝します」と有言実行した君野キャプテンがチームを引っ張る。インサイドの大黒柱プライス、冷静にゲームメイクをし得点力のあるPG髙城ら3年生に、上背のある2年生がチームの攻守に厚みを加え、バランスの良い仕上がりとなっている。5年ぶりとなる冬の舞台、今季全国への切符を分け合った川内の分まで、思う存分プレーして欲しい。

SoftBank Winter Cup 2021 12月23日~29日

れいめい高校(男子)の初戦は24日、栃木県代表・宇都宮工業と戦います。(バスケットLIVE等でストリーミング配信有り)

第74回 全国高等学校バスケットボール選手権大会

鹿児島県予選を追った記事はこちら:祝ウインターカップ2021出場決定!れいめい高校男子バスケットボール部

川島学園れいめい中学校 女子バスケットボール部(2021年8月時)

2021年8月にサンアリーナせんだいで開催された九州中学校バスケットボール競技大会。県内では他校を寄せ付けず、圧倒的な強さを誇るれいめい中は強豪ひしめく九州大会で4位に食い込んだ。準決勝と3位決定戦で対戦した福岡代表の折尾中、菊陵中はその後の全国大会で2位、3位となり九州大会のレベルの高さを証明した。

夏の大会後、新チームとなったれいめい中は昨年新たに始まったJr.ウインターカップ鹿児島県代表の座を2年連続で獲得。昨年は新型コロナウイルスの感染状況を鑑み出場を棄権したが、今年は状況が整った。新キャプテンの2年生一柳とガードの林、3年生エースの栗下ら、チーム17名で大会に臨む。「ひとつでも多く勝ち進んでいけるよう、チーム全員で心をひとつにして頑張りたい」と語る松田友里香監督。九州にれいめい中あり、を印象づけたい。

Jr.ウインターカップ2021-22 2021年度 第2回全国U15バスケットボール選手権大会 (japanbasketball.jp)

れいめい中(女子)の初戦は2022年1月4日、高知県代表・北陵中学校と戦います。応援よろしくお願いします!

Jr.ウインターカップ2年連続出場となる クラブチーム LINK

2019年、薩摩川内市・姶良市を拠点にスタートしたLINK アカデミー。学校の部活動に加え、さらに意欲的に取り組む選手を対象にクリニック(個別・集団指導)を行っている。Jr.ウインターカップ2年連続出場を「素直に嬉しい」と喜ぶのは下薗一樹LINK代表。川内高校OBとして同校のアシスタントコーチを務めながら、鹿児島のバスケ界をつぶさに観察してきた。現在、れいめい高校アシスタントコーチの川口慧ヘッドコーチらと共に「中3の部活引退から高校入学までの一番伸びる時期」の選手を中心に強化し、カテゴリーをつなぐ橋渡し役を担っている。

全国の動きを見ると、特に男子においてはU15(中学生年代)のカテゴリーでもBリーグの下部組織を筆頭にクラブチームが台頭し、学校とクラブチームが群雄割拠する時代となっている。この流れを見据えつつ下薗、川口両氏とも「部活動の良さもある。部活あってのクラブ」との認識で、学校との連携・協力体制を築きながら活動を展開してきた。2020年、コロナ禍で大会がなくなった中3生の「最後の大会」としてプレーの機会をつくるため、急きょクラブチームを結成し県予選に参加。タレントは揃っていたが即席チームの難しさ、序盤で思わぬ苦戦があったという。「腹割って話そう」とコミュニケーションを深めた結果、選手は自主的にミーティングをするなど著しい成長を見せ、決勝では古仁屋中とのクロスゲームを制し全国へ。1回戦に勝利し、続く2回戦で敗れたものの対戦相手は優勝。九州の強豪校に進学した永徳(れいめい→延岡学園)や田中(清水中→九州学院)ら、選手は大きな自信を得た大会となった。

第1回LINK CUPでは高校のチームに混じり優勝。自信を持って全国へと挑む。

「頑張りたいという意識が高い子たちが多いんだなということが分かって、それが一番嬉しい」と話す下薗代表。クラブチームは「アカデミーから高校に上がるまでの間がもったいないと始めたこと。去年の結果を見て今年もいろんな子が集まってくれた。能力のある子たちなので、いかに本気にさせられるか、というのが自分たちの役目。全国で戦えるという意識を持って高校に上がってくれたら、鹿児島のレベルもきっと上がる」と願いを込める。指揮を取る川口ヘッドコーチは「今年は鹿児島でもやれるというのを証明する!第2弾です。県代表の自覚と誇り、戦う気持ちを持っていいゲームをしたい。この年代で全国を体験できるのは、すごく貴重な機会。全力でぶつかってトライ&エラーでいい。楽しくやってくれたら満足です」と明るい。新たな潮流を感じさせるLINKの活躍に注目だ。

LINKを率いる下薗代表(写真左)と川口ヘッドコーチ(同右)

Jr.ウインターカップ2021-22 2021年度 第2回全国U15バスケットボール選手権大会 (japanbasketball.jp)

LINKの初戦は1月4日、相手は神奈川県代表・横浜ビーコルセアーズU15A。B1リーグのクラブチームとどう戦うか。今後の試金石となる。

春高バレー4年ぶり2回目の出場! 川内商工男子バレーボール部

インターハイ・ベスト16の結果を引っ提げて迎えた11月の鹿児島県代表決定戦。「自分たちは春高に出ていない。チャレンジャーとして臨む」と話していた田原キャプテン。鹿児島商業との決勝戦はセットカウント0-2、崖っぷちからの逆転勝利で全国の切符をもぎ取った。リベロの根比副キャプテンは「決勝からセンターコートで空間が変わり、慣れるまでやりづらさがあった」と振り返る。後がない第3セット、「ここに何しに来てるんだ!と監督に喝を入れられて。このままでは終われない、最後は自分が決めてやる」と、頼れるエースに成長した田原を中心に、粘り強く戦い抜いた末の価値ある優勝だった。

「厳しさ優しさがあり、これは良い、これは悪いというのがはっきりしている。ザ・漢(おとこ)という感じです」と春口マネージャーが表現する田代監督(写真中央右)、その教え子でアシスタントコーチを務める川畑俊輔氏(写真中央左)は2021年発足のクラブチーム「フラーゴラッド鹿児島」のゼネラルマネージャーも務める。鹿児島のバレーボール界をけん引するコーチ陣だ。

セッター森、OH山野、リベロ飯伏ら、1年生もチームを引っ張る。

「五厘魂」で全国の舞台を駆け抜ける!

「高校生活最後の大会となるので、このチームで1分1秒でも長く、東京体育館のオレンジコートでプレーしたい」と決意を語る田原キャプテン。根比副キャプテンは「仲間と協力し、すべて出し切れるように」と闘志を燃やし、「プレーしやすい環境を作って、目標を達成できるようサポートしたい」と春口マネージャーはチームへの献身を誓った。

春高バレー 全日本バレーボール高等学校選手権大会 (haruko-volley.com)

川内商工の初戦は2022年1月5日。夏のインターハイでも対戦し、勝利した天理(奈良県)と再び対戦する。田原キャプテンは「知らない相手よりはやりやすいのかな、とは思う。互いにIHの時より進化していると思うので、相手をびっくりさせるような新しい面を出して勝ちたい」とチャレンジャーであることを忘れない。「川内商工の伝統である高速コンビバレーを全国の舞台で披露し、ベスト4目指します!」

さまざまな困難を乗り越え、全国へと挑む5チーム。地元からの熱い応援、よろしくお願いします!

取材・文/泊 亜希子